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シン・徒然なブログ



正規留学生の諸君、交換留学生の諸君、そして生徒ではないが日々を強く生きる諸君、ようこそエジンバラ大学ジャパンソサイエティへ。役員一同、混沌と混乱と狂熱を持って君たちを歓迎したく思うのだが、その前にこのソサイエティについて少し紹介しておかなくてはなるまい。


このサークルは「すべての人々」に開かれた、比較的大規模かつ緩いサークルである。あまり難しい言葉を使うと「インテリぶっててきもい」と批判の言葉をいただきそうなので詳細を控えるが、要するに我々はsymbiogenesis、日本語でいえば「動的共生体」とでもいうべきだろう。そうだ、我々は「シンビオジェネティックなサークル」である。


加入条件は全くなく、日本人である必要も日本語を喋る必要も一切ない。日本に興味がなくたって構わないし、特に目的があって入る必要もない。こんなことを公で言っていいものなのかもわからないが、正直メンバーシップを買わなくたっていい。購入しなくてもイベントには参加できるし、ないからと言って仲間外れにされることなどありはしない。


これだけ書くと運営側に問題があるかのように捉えられかねないので先に断っておくが、我がサークルは他サークルと比べてもかなり繁盛(?)しているし、参加人数も多い。リピーターと言ってしまうと少し商売チックだが、古参連中も大勢いる。そしてイベントの参加率もまあまあ高い。役員連中もそれなりに忙しなく働いているということも付け足しておかなければならない。週一のソーシャルに日本語教室、さらには月一で開催される大きなイベントなど、やることは盛りだくさんである。役員一同、頑張ってます!


さて、話を「シンビオジェネシス」に戻そう。どこから出発しても構わないのだが、わかりやすく「参加者」から考えていくのがいいだろう。まずサークルには様々な人間がいる。正規留学生の日本人もいれば日本以外の国から期待正規留学生も大勢いるし、他大学から来ている人たちもいる。日本の文化に猛烈に惹かれている人間もいれば友達の付き添いできた人もいるし、大学の教員をしてる人間や大学とほとんど無関係な社会人も訪れる。そうしてその「アクター」たちが様々な形で人間関係を結んでいく。互いの言語を学ぶもの、他県からの交換留学生と日本について語り合うもの、イギリスの好きなところについて国籍を超えて語り合うものなどなど、本当に様々な関係性が結ばれる。そうしてその繋がりは他の繋がりと交わることもあれば別の「アクター」がその結び付きの中に混ざり、全く新しい関係性が出来上がることもある。我々役員もこの「アクター」の一員にすぎない。我々にイベントやソーシャルの秩序を守ったりサークルを紹介したりイベントを企画する義務は存在するが、だからと言って「偉い」などという概念は存在しない。ただただ我々はこの「ジャパンソサイエティ」を構成する「アクター」にすぎない。


だから毎年「ジャパンソサイエティ」はその顔を変える。そしてそれがどういう形で変わっていくのかは、諸君らが経験するまでは決して分かり得ないものである。変な話、あの箱の中に入った猫と同じなのだ。観測者がその結果を観測するまで、決して分かりはしないのだ。


だがもう一度繰り返すが、我々のサークルはすべての人間(そしてできれば非人間)に開かれているのだ。恐ろしいことを言うようだが諸君らがが一人サークルに入ったところで何も変わることはない。だがそれは「個人」としての話である。矛盾しているようだが、君がこのサークルに入れば全てが変わる。なぜなら君がこのサークルでなすことは、「関係性」の構築だからだ。早い話、別段サークルの連中全員と仲良くなる必要なんてどこにもないのだ。君にあう関係性が見つかりさえすれば、それで十分なのだ。君一人が劇的に世界を変えることは無理だが、誰かとの関係性が大きく世界を変えることなんていくらでもある。ある日突然ピンときて、だんだんわかることがあるのだ。そしてそれが我々役員の本望なのかもしれない。その関係性こそがジャパン・ソサイエティであり、シンビオジェネティックであり、そして君の世界なのだ。


だからまだサークルに入るかどうか迷っている君よ、その勇足をPEAR TREEというパブに向けてみてはどうだろうか。毎週水曜日20:30から行っているソーシャルである。飲み会という形容はあまり好きではないが酒を飲むのだから正しいのかもしれない。そうして色んな人と出会ってみるとよい。気に入らなければ別段早く帰って後悔したって構わない。だが約束しよう、君が訪れた暁には、我々は熱烈な歓迎を持って君を迎えるだろう。君がどんな人間であれ、人を傷つけるような大馬鹿ではない限り、我々は両手を広げ常に諸君らを待っている。そうしてかけるものなど何もない、けれども素晴らしいこの世界に儚い夢を馳せながら酒を飲もうではないか。そうすれば少しは世界も変わるはずだから。そうすれば少しは良くなるはずだから。


以上を持って新体制発足後一発目のブログを終了する。タイトルは庵野監督にあやかって「シン・徒然日記」にでもしようと思う。「新」「進」「心」、いろんな当てはめ方があるこれも、きっと「『シン』ビオジェネティック」なのかもしれない。では、また次回の更新まで。


アミー・ジョリー


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